なんかイライラする!!!(攻に対して)甘い絶望の夜を捧げて (二見シャレード文庫 よ 2-1)作者: 義月粧子,梨とりこ出版社/メーカー: 二見書房発売日: 2009/09/18メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (4件) を見る

義月先生の攻って性格悪いよね。かなりの高確率でムカつかせていただけるのですが、本作は何度もはらわたが煮えくりかえりそうになりました。そして受の子っていつも精神的Mだよね…っていうお話。


ヤクザの家を継ぐことを拒否して出奔した一人息子(攻)。跡目争いのゴタゴタが現在家とは関係ない攻にも降りかかりそうになった時、受の子が組長の命令で護衛として派遣されてくる。
じつは受の子は組長にすさまじいほどの恩と負い目があり、一人息子の盾としてそばにいることを義務付けられているのでありますよ。でも組長は『お前は息子の盾であり下僕であるからして立場をわきまえて友達面すんなよ』と受を戒め、攻と線引を要求されています。かわいそうです。
一目会ったときから攻に惹かれている受、攻の一番の理解者になりたいのに組長の命令は絶対なのです。
組長(父)に反発するバカ息子の攻は『どうして俺の言うこと聞かんね!親父の命令優先すんなや!』とばかりに受を困らせてばかり。イライラ。
バカ息子のせいで殴られたり撃たれたりするのだけど、健気な受は攻が負い目を感じるのが嫌でずっと陰で彼を守っているんですよ。
ンでもバカ攻は気付かない。気付かないだけではなく誤解までしくさってさんざんひどいことをします!でも受はそれでもそばにいられれば幸せなんですって。攻の命令で攻の現恋人の護衛までしないといけないんですが、それでも自分の嫉妬心を押さえこんで気丈に戦う受、強いしかっこいい…。それなのに攻は相変わらず大馬鹿野郎だし。
あとね、受の子が一人になった時の自嘲とか独り言とか、かっこよかったすよ!「いてぇ…」とか「みっともねぇ…」とか。受だけど腕っ節が強く、しなやかな芯の強さを持った受!イイヨイイヨ!


ああ、まあおいらそれでもいいんすよ。二人の問題だからね、最後は誤解も解けて長い長い二人の片思いが成就するってのなら文句もねえんだよ。ただね、あんなにいじめといて最後に手のひら返したようにあんな甘い態度するのはよくねえと思う。
ぬお、これはいつもの義月先生の「えーーーー〜…」って読後に声が出るアレです。義月先生好きだったんだけど、あまり相性良くなくなっちゃったのかな…。さんざんひどいことした攻が受とラストで和解したあとのエロシーンはいつも一緒だなあ、とか思った…。今回は前半に攻が徹底して受を拒絶していた分、特に思った。違和感ありまくり!

誤解も解けて仲良くお布団の中で和解しました、濡れ場展開しました!終了!じゃなくてさ、後日談を2pくらい入れてくれると全体のクオリティが上がると思うんだけど、どうなんだろう。
社長の秘書として『小言をいいつつ仕事をさせる受と、主人面して威張り倒す攻。でも受に操縦されて手のひらで転がされてる攻の日常』なんかがちょっとでもあったならオイラこの話はかなり高感度上がると思うんだ。ま、それは同人誌の役目なんだろうけども…。


あと、あとがきで先生が『オムライスのくだりは私も泣きながら書きました〜』みたいなこと書いておられました。作家先生が自分の作品の泣きポイントを言うのってあまり好きじゃないのだ…ちょっと引いた。
なんだかいろいろともったいない話な気がする!