★★★★☆ あんたを誇りに思うよ、コヨ。…愛してる。(名言)ブライトン・ロック!2 (二見シャレード文庫)作者: 椹野道流,宮本イヌマル出版社/メーカー: 二見書房発売日: 2003/09/29メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る


そして続編です。1でジェレミーの心の傷を受け止め、家族として心で結ばれた二人は、航洋の住むフラットで暮らしはじめる。
そんなある日、かつて航洋の親友と自分を二股かけた上に手ひどくふった元彼女のナツメがイギリスにきた。よりを戻そう、日本に帰ろうと迫ってくる夏目にジェレミーとのことをきちんと話す誠実な航洋。しかしそのナツメが逆上して暴走、強引にキスして見せたり、ジェレミーに宣戦布告したりとやりたい放題やる。殺す。

それがきっかけとなり、ジェレミーは航洋の前から消える。航洋はあわててジェレミーを探し、なんとか見つけ出すのだけど…。
いずれは日本へ帰らなければならない航洋、イギリスで修復士として将来を決めたジェレミー。離れたくない、しかしこのままでは二人ともダメになる。苦しい決断を迫られる二人。
結局、最後の決断は航洋に任されることになる。優柔不断で自分の意思をあまり持たない航洋が、ついに自分の意志である決断を下すことに。


正直、このあたりからもう読めなくなりました。期限付きの恋愛ほどきっついものはないと想う次第であります。別れは迫るのに二人とも何事もなく平和に暮らさないといけない。別れにおびえて目の前の幸福を逃すのは愚かではないのかな?というジェレミーの声が聞こえそうですが、辛いものは辛いぜ!!
このお話、これで完結で続編はたぶんでないんじゃないかと思います。このまま終わるのは本当につらいと思うのだ。
最後の描き下ろしは、家族を失ったジェレミーがやりたかった「普通のクリスマス」を航洋と二人で再現する話。ただひたすら「クリスマスを過ごす家族はこうあるべき」ということをジェレミーがやっていきます。この3か月後、航洋は日本に帰らなきゃならないのに、二人は明るく笑っています。


きっと将来、航洋はイギリスの片田舎でドクターになるんだ。そしてちゃんとジェレミーと本当の『家族』となるんだ。
…そのための別離だと信じたいであります。涙。


関係ないですが、この二人を見てるとBLというおとぎ話ではなくて、きちんとした等身大のゲイカップルとして描かれています。
生々しさもありますが、リアリティがあって切なさが倍増。イギリスのコン●ームは日本人にはスリムタイプがいいんだという無駄な知識まで付きました。文章は明るく楽しく書かれていますが、それが余計切なくなった。うう。涙はでないけど、きっつい話でした。二人に幸あれ!!