★★★★★ もう認めるしかあるまい。こいつをとても可愛いと思っていることを――誓いは小さく囁くように (SHYノベルス 132)作者: 榎田尤利,佐々成美出版社/メーカー: 大洋図書発売日: 2005/05/23メディア: 新書 クリック: 5回この商品を含むブログ (4件) を見る

 若宮(愛を信じない会社社長)×智夏(傷心のマリエデザイナー)
             幸福の連鎖度 ・ 無限ループ級


 「もう、認めるしかあるまい。こいつをとても可愛いと思っていることを」結婚も永遠の愛も信じていない、ウエディングプロデュース会社社長の若宮瑛児は、ある夜、ひとりの酔っ払いを拾った。顔は可愛いが態度は実に可愛くない、現在スランプ中の天才マリエデザイナー・智夏だ。スーツを汚した代償に、若宮の会社に住み込みバイトをすることになった智夏だが、おまけに結婚を神聖なものと考える智夏と若宮はまったく反りがあわない、はずだったのだが!?幸福の連鎖をあなたにも。 (あらすじより)


最高の片思い本で号泣し、そのあとのすさまじい漢受で爆笑する。なんと波乱万丈なBL生活ですかね。


というわけで、たまには榎田さんのBLを読みたいなと思って手に取りました。何ででしょうかね、この人の本読むとホッとするんですよ。
何読んでも外れなし、感動も笑いも両方満遍なくとりいれられてて安心して読めるというか。
榎田さんの昔の本はまだまだ沢山あり、全然読めていないのですがとりあえず『好きで好きで好きで』のイラストレーター、佐々さんつながりでこれを選んでみました。なんというか、表紙だけでも十分幸せになれそうな感じですね。


若宮(攻)はバイで節操無し。お金に汚く、ウェディングを『金づる』としか見ない社長さん。自分が快適ならそれでいいという若宮が、夜の街でぼろ雑巾のような若者にゲロをかけられるところから始まります。
自分の50万以上する超高級オーダースーツを弁償させようと連れ帰るも、所持金も家もなく全く生活能力のないダメ人間だった智夏は実は腕利きのマリエ(ドレス)デザイナーだったのであります。
なんというご都合主義wとか言っちゃいけない。

でもね、読み進めていくうちにものすごい幸福感に包まれていくですよ。
いやな社長の若宮が智夏の世話をしていくうちに、今まで感じたことのない気持ちに気づいていくのですね。お約束ですが、それまでの過程がすげえ、さすが榎田さんってくらいうまいし面白い!智夏も美人という設定なのにやることなすことダメ人間で、それでも嫌みのないかわいらしさです。智夏の心の傷を知ってからの若宮の心理描写も無理がなく、こちらもどんどんと引き込まれましたよ。


これぞBL、これぞ幸福の連鎖!ってかんじで。最後はもう「勝手にやってくれ!」というほどのハッピーエンドです。ささくれだっていた自分の心に花が咲いたような、そんなBLでございました。


なんか、ずっと榎田さんの本読み続けたいくらい幸せ感がいっぱいだったのですが。
次の積んどく本(順番を決めている)が…ヤクザの後継ぎ本だったのでちょっとしょっぱい気分になりましたとさ。