アラブ連読(漫画含む)8冊目・切なげな雰囲気にほんの少し期待

砂漠に咲く偽りの花嫁 (アルルノベルス)

砂漠に咲く偽りの花嫁 (アルルノベルス)

イード(カフェで知り合う素敵ナイスガイ)×ハル(晴明)(修行中フラワーアーティスト


カナダでフラワーアレンジメントを学ぶ晴明は、砂漠の国の王子と噂される、高貴な雰囲気を纏う青年サイードと出会う。未だ慣れない異国の地で優しく話しかけてくれる彼とのひと時は、晴明の心を温かくさせた。しかしある日、彼が何者かに取り囲まれているのを目撃した晴明は、砂漠の宮殿に連れ去られてしまい!?―私の最愛の恋人として振舞ってもらう―その言葉と共にサイードに与えられた愛撫は切なくなるほどの快楽を齎し、晴明を翻弄して…。(あらすじより)


まーた王子が金髪碧眼だよ〜tt
そして、あらすじに異議ありです。このあらすじだとサイードがひどい人みたいです。スゲエいい人だよ!


晴明(ハル)は日本ではちょっと鳴らしたフラワーアーティストで、広い世界で修業したいとカナダに飛び出し、井の中の蛙を実感してへこんでいる25歳。花屋に併設されたカフェで働きつつ花への情熱をたぎらせているのであります。
しかし、フランス語もあまり堪能ではないハルはさみしい思いを募らせていくのですが、そんなときにカフェに遊びに来る素敵青年サイード(日本語おk)と仲良くなります。彼と母国語で話す時間はハルの中でとても大切なものとなっていくのですよ!
ある時、サイードがトラブルに巻き込まれているのを発見、おもわず首を突っ込んだハルも巻き添えになり拉致されてしまいます。意識を失ったハルが次に目覚めたのはみたことのない異国の地、どうやらサイードはその国の王子で、王位継承者だというのでありますよ!
呆然とするハル、そのうえサイードは『君の身の安全を確立するためには私の恋人のふりをするしかない』と大真面目な提案をしてきます。そうでないと命の危険がある、必ず助けるからしばらく『偽りの恋人』になってほしいというサイードに絶望するハル。だってハルはサイード様のこと、好きなんだもん!!みたいな。

イードが身を守ってくれ、恋人扱いしてくれるのは王位継承を表明してハルの身に危険が及ばなくなる間だけ。安全になったら偽りの恋人関係は解消し、ハルをカナダに返してくれるというんですがね。サイードの優しさにどんどん心が傾いてしまうハルですが、別れは目前。思いつめたハルはサイードの迷惑になりたくないとひっそり姿を消そうとするですよ。ぬうう。
物語はハル視点で進むのですが、サイードがハルに惚れてるのは最初からダダ漏れです。純粋なハルと誠実なサイード様はとてもナイスカポではないかと…。


この作家様初めてでした。でもね、なんつうか、濡れ場が濃厚ですね。描写が丁寧というか、ストレートというか。ちゃんと書いてる!って感じします。
「ひゃああぁん」で誤魔化さない、真面目な作家様だと思った。性格が出るなあ…。
これは結構おもしろかったんじゃないかなと思うよ!でも泣くまではいかなかった、アラブで泣くのはやっぱり無理あるのかな。