15センチメートル未満の恋 (ディアプラス文庫)作者: 砂原糖子,南野ましろ出版社/メーカー: 新書館発売日: 2009/06/10メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 6回この商品を含むブログ (8件) を見る

模型設計士の受が美術館でかつての同級生と会話中に階段から落下、気が付いたら小さくなってしまっていた!!みたいな。
かつての同級生はドールハウスの世界で認められ、個展が開かれるほどの人気作家となっていた。目の前で小さくなってしまった受を連れ帰り、自作のドールハウスに住まわせて面倒を見始める…みたいな。
こんなことはおかしい、何もかもが違う、ウォーー!!となった受は「これは夢だ!!」と結論付けるんですがね。でもどこからが夢の始まりなのかだんだん混乱してくる。読んでるほうも混乱してくる!ネコ怖ぇ!!
個人的には手の中で眠るところと、舌先のキスと、ジェリービーンズを投げてマシュマロを投げ返されるあのシーンが大好きだぜ。

これはBLだし、受の体が小さくなってしまったらどういう濡れ場が展開するのか〜という想像のはるか斜め上を飛ばれてしまった。あとがきで先生が「小さくなったら乗せるしかないでしょう」と語られておられました。おいらそんなこと考えもしなかった。やっぱりエロ番長はすげえな!


私はたまに砂原先生がかましてくれるファンタジー紙一重のイロモノBLが好きです。
心の声が聞こえたり、できそこないの吸血鬼だったり、島から出られない男だったり、ただのトンデモ本ではなく何かしらの切なエッセンスがちりばめられていて、読んでいていどこか胸が痛くなってくるような変な気持になってくるのであります。攻の伏木野が「なぜドールハウスを作るのか」という答えがまた切ねえ!砂原先生好きです!!
そのイロモノの中でもこれは頭ひとつぬきんでてキングオブイロモノだったと。砂原先生が書かれる無骨な攻が好きなので、この攻は好きだ。ただこの話は、受視点の上に攻が超無口で朴念仁なのでいまいちわかりにくいぜ!攻視点でみたお話も読んでみてえ!!


記憶に残りづらいBLが多い中、この本はインパクトあった…。たぶん忘れないと思う。