★★★★☆  〔選択理由・水原先生なのに痛くないって聞いたから!〕陰猫 (ガッシュ文庫)作者: 水原とほる,草間さかえ出版社/メーカー: 海王社発売日: 2008/11/28メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見る鋼紀(失踪した婚約者の弟)× 雅幸(婚約者の行方を知りたい会社員)

  ■甘い度         ☆
  ■胸が痛切ない度     ☆☆☆☆☆☆  
  ■婚約者の女の自分勝手度 ☆☆☆☆☆


会社員の雅幸は結婚式直前に婚約者に失踪されてしまう。穏やかで真面目な雅幸は彼女を捜すため、彼女の弟・綱紀の元を訪れた。不本意ながらも捜索を手伝ってくれる綱紀に、雅幸はその旅先でからかわれて強引に抱かれてしまう。以来、どこか陰のある綱紀に惹かれていく雅幸。ねだられると拒めないのは恋なのか。いつの間にか雅幸の心は綱紀に傾き始めていた。ああ、この旅が終わらなければ―。
(あらすじより)


水原先生のお話は出血率が異様に高いので地雷原なのですが、このお話はそうでもないらしい。とても珍しいことに、攻がいい人らしい!
さらに、表紙で草間先生が呼んでいたので手に取ってみました。


婚約者の女性に結婚2週間前に突然失踪され、結婚資金の600万円も持ち逃げされてしまった雅幸。持ち逃げされたことよりも彼女の無事を心配するほどの優しくてお人よしの雅幸が、ほとんど音信不通だったという彼女の弟とコンタクトをとって行方を探そうとします。
彼女の弟はアングラな世界で法スレスレの生活を送っていますが、見かけによらずいい人。あちらこちらをさまよううちに彼女の背景にあるものが弟を通して見えてきます。そして、彼女を探すという行為を繰り返すうち、自分が本当にそばにいてあげたいと思う人を見つけてしまうんですね。


むむ、あらすじはもっと本の内容を伝えるように努力すべきだと思う。結構深いなあ、と思った。婚約者姉弟も今まで辛かったぶん幸せになれるといいな、と!!
作中では駄目だったけど、いずれ姉は綱紀の辛かった過去を理解してあげて欲しいな、とか思ったり。…ちょっと歪んでるから、無理なのか。


これは、甘い…のか?意外にも暴力はなかったけど、胸が痛いお話でありました。