★★★★☆  まさかの奇面オチ!?(でも面白かった)水曜日の悪夢 (ガッシュ文庫)作者: 夜光花,稲荷家房之介出版社/メーカー: 海王社発売日: 2007/06/28メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 3回この商品を含むブログ (9件) を見る真吾(教え子でバイオリニストの卵)×和成(真吾に夢を託したい元バイオリニスト)  奇怪な夢度 : 高 


「悪夢のような過去は、決して繰り返してはならない」高校の音楽講師を務める元バイオリニストの和成。不慮の事故で弾けなくなった和成は教え子である真吾の類まれなる才能に惚れこんでしまう。ある日、和成は、父親からの虐待に苛立つ真吾を預かることになった。「先生の身体、触りたい」教師として尊敬されているだけだと思っていた。突然無口な真吾に飢えた獣のように激しく求められて、和成は戸惑う。しかし愛を知ることによって、真吾の才能を更に伸ばせるならと偽りの愛情を与えてしまい…。 (あらすじより)


積読読破がおおむね終わり、新たな旅を終えてもう一回積んでみた。今度は福袋を適当に漁るんじゃなくて、ちゃんと自分の欲しいものを狙って買う!という事で大好きな夜光先生を作家買いした。いやあ、読ませますね。痛いと思う時もあるけど、サスペンス&ミステリ風味で大好きだ!
切なくてなく、というのがあまりないし特にラブラブ展開ではない作品が多い(特に濡れ場は愛が少ないように感じられるのだが…)でも小説としては絶品だと思う。大好き!!


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和成が臨時バイオリン講師として赴いた先に、不器用で何を考えているかわからない天才肌の真吾がいた。けがのためにプレイヤーを挫折した和成は、もう満足にバイオリンを操ることはできない。自分が到達することができなかった高みへと、彼ならいけるかもしれない…。そう思った和成は特別目をかけ、水曜日に行うレッスンに熱を入れる。ぶっきらぼうで一匹狼的な真吾はだれにも心を開かないように見えたが、和成にだけは少しずつ心を開いていった…。


そんな和成、水曜日の校庭でひどくリアルな夢を見ます。白昼夢のようなそれは、なんと「真吾が父親を刺し殺す夢」です!真吾の体にあるあざで家庭の事情をうすうす感じていた和成、真吾を守りたい一心で自分の元に連れ帰って保護してしまうんですよ。これであの夢のように真吾が転落せずにすむと楽観していたのだが、真吾の懐き方が半端じゃなくて!という。


もうね、オカルトというかSFというか、なんとも不思議な感じでした。
続きが気になるんだよ!ちょ、おま、どうなってんのよ!という感じで「暑苦しい真吾とやる気のない和成の濡れ場なんか正直どうでもいいや」と思うくらい続きを欲しましたね。とにかく、どうなってんのか知りたくてガンガン読み進めてしまった。
んで、思う事ですが。途中、オカルトにかなり偏ります。最後はかなり都合のいいオカルト具合で、ちょっと先生に反発したくなったりした。しかし、それ以上にこの状況をBL的に納めることは不可能であり、うまいこと考えたナ先生!って感じで感心したぜ。


かつて自分に好意を持ってくれたバイオリニストが出てくるんですが、その人がかっこよかったのでそっちとくっつけばいいのに!とか思ったりした。それBL的には絶対ダメだけどな!
面白かった!夜光先生の本、いつかは既刊を全部制覇しちゃうぜ!!