あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!


 『おれは某駅の改札でPASMOをチャージしようと思ったら斜め前の改札にリーマンが2人いた
  そいつらはあろうことか改札ごしに抱きつき、いちゃつき始めたんだ!』


 な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
 おれもなぜこうなったのかわからなかった

 頭がどうにかなりそうだった…

 「俺は嫌です!」だとか「行かないで課長!」だとか
 そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…


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素敵カップルを見かけると思わずでてくるポルナレフですが…。
今回はたぶんカップルじゃないとは思うのですが、あまりに素敵だったのです。


電車にのって1時間かかる場所にある、去年お世話になったボランティア団体に会いに行くことになった。
引っ越してしまったため、そこの駅に行くのも久しぶりだ。たった2時間のために1時間かけて向かい、1時間かけて帰る。なんかやってらんねえやと思うのだけど、半年前から決まってたことだし、今期の委員長が私の元・相方だってこともあり、さぼることはできません。なので道中で仲間一人と待ち合わせ、二人でご飯を食べた後に向かうことにあった。


目的の駅は大きくもなく、人もあまりいない。しかし帰りは混むかもしれないのでPASMOをチャージしておこうと改札横にある券売機に並んでいたら、斜め後ろの改札横に人がたってることに気づいた。
このクソ暑いのにきっちりスーツを着て、ちょっと大きめのスーツケースを足もとにおいていた男性だ。
年の頃なら40位?クールビズのど真ん中にきちんとしたスーツという、周囲とは浮き上がる人物。いけないとは思いつつもリーマン属性のある私はちらちらと視線を向けてしまった。私の同行者(腐ってないクール美人)も「なんかあの人の周りだけ空気が違うよね」と耳打ちしてきて、ああ私だけじゃないんだなと安堵していた、ら。


すごい勢いで走って近づいてくる男性が見えた。その人は半袖のワイシャツにネクタイ、手には紙袋を持っていて結構な速度で駅に走り込んでくる。なんだろう、と思ってさらに見ていたら、半袖男性はいきなりスーツ男性の腕に抱きついた。


!!!!!!!!!!


私と姐さん、驚愕。たぶん、近くにいた駅員さんも通行人たちも全員固まったんじゃないかと思う。


二人はマイワールドに入ってしまったようだ。周りが見えなくなってしまった半袖男が大声で話しはじめた。
少し熱くなっている半袖男、「頑張って下さい」とか「納得できない」とかそんな感じの会話をしている。い、いかん。なんかこう、私の脳内でいろんな妄想が…w
そのうち、スーツが半袖をなだめるように頭をポンポンと何度か叩き、サッと改札を通ってしまった。おいてかれた半袖、あわてて改札に駆け寄る。
あんまりに必死な様子に、私と姐さんは目を離せない。半袖、スーツに向かって紙袋を突き出しながら泣きだした。


!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


スーツ男、驚いたらしい。あわてて改札の向こうから駆け寄ってきて、紙袋を受け取る。そしてそのまま半袖の肩を抱いた。
「なんとなくこれ以上見ていたらいけない」という少々気まずい空気が周囲に広がり、目をそらし始めた。私は内心「うおお、彼らを最後まで見届けたいッ」という思いがあったのだが、姐さんが『熱いよね〜』と言って歩き始めたので、私もそれに従った。


なんかすごく訳ありの同僚を送り出す元同僚(部下?)、という感じだったのだけど、映画のワンシーンのようでした。
これぞ熱い男の友情って感じ!!恥ずかしいけど、私ちょっと感動してしまったよ(涙)