★★★★☆   愛は幾らで買えるのか!美しき貧乏貴族ビューティフル・プア (ビーボーイノベルズ)作者: 榎田尤利,稲荷家房之介出版社/メーカー: リブレ出版発売日: 2008/05/19メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 4回この商品を含むブログ (4件) を見る

 玲一郎(金に汚い画商の息子)× アロウ(貧乏貴族様)  設定の吹っ飛び度・高 
 

アロウ・ラファイエット公爵はある朝思いたった。
電気を止められるほどに貧乏に窮した今、売れるものは何でも売ろう…。そして年老いた執事に告げるのだ
「私は私を売ろうと思う」
全世界の大富豪達に通達された――。 一方、日本の画商の息子・玲一郎は社長である父の命を受け、遠い異国の地 トリニティアへと飛んだ。 玲一郎の目的は金髪碧眼の美貌の公爵ではなく、ラファイエット家が所有する一枚の絵画だ。大富豪達に混ざって、公爵に近づこうとする玲一郎だが、公爵の持つ強さと美しさに次第に惹かれていく――。(あらすじより)


没落貴族様が領地と森と孤児院を守るため、美貌の自分をオークションにかけてしまう…。これをアラブに変換すると、やれ3憶だのやれ監禁だのやれ魔法の薬で某国へお持ち帰りだのになってしまうのだが、やっぱり榎田さんは一味違うよなと思う。
オークションに招待されるのはきちんとした身分の方のみ。期間は一年間、ちゃんと恋人として付き合うという条件付き。
それでもわらわらと大富豪が集まったのはアロウの容姿が飛びぬけて美しかったからなんですけど…。
一方、画商の息子である玲一郎はお金に汚く、月収は30万程度。そんな彼がオークションにもぐりこんだのはアロウの持つ1枚の絵画のため。アロウ様落札までたどり着けなくてもいい、アロウ様とお近づきになり、あわよくば絵の取引まで持ちかけたらという下心バリバリです。

そんな二人がだんだんと心を通わせていくお話なんですが。うおお、おもしろかった!アロウは、今は無き前領主である父から託された領地内にある孤児院と領民と聖なる森を守るため、電気の止まった大きなお城で頑張るんですよ。貴族として毅然と勤め、領民を思う。しかし、その正体は…ていう。
その正体をどの富豪よりもみぬいてあげた礼一郎、金はないが男前だ!ちゃんと富豪の中に「アラブの王子」が混ざってたのが笑えた(いい王子だったw)

読んでいてなんかひっかかるものがあったのだけど、どうやらこのお話は前読んだ『菫の騎士』と微妙にリンクしているんだ。
その謎が解けた時「あああっ」と思わず声が出てしまった。なるほど、そうなのか!やるな!!


榎田先生はいいわ、面白かったっす。