★★★★★  誰にも大事にしてもらえない、かわいそうな想い。せめて俺だけでも守ってあげればよかった――


 堂島(かつての同級生)×三浦(花屋でバイト)  三浦泣かないで度・150%


 たった一人の人間のせいで、世界が色を変えるなんて──。 高校時代、三浦が片想いしていた同級生の堂島。卒業から五年、三浦の勤めるフラワーショップで二人は偶然再会する。堂島の恋人が、その店の娘だったのだ。彼らの恋を壊してはいけない。だから見ているだけでいい。けれどやっぱり好きで好きで…。そんなある日、身体だけ重ねてしまった二人は!? (あらすじより)



先日どうしても続きが読めなかった本。泣いて泣いて泣いて、久しぶりに目が腫れた。ああ、引きずられすぎ。
よくある話だといわれるとそれまでなんだけども、この作者さんの文章力がすさまじい。どんどん胸の中に切り込んでくる。
私この作家さんと泣くポイントが同じなのだろうな、と思う。この人の小説ではいつも泣かされるけど、これは「この胸をどうしよう」以来だ。
愛と混乱のレストランもよかった。この作家さん、受けの心理描写を文に起こすのが鳥肌がたつほどうまい。


三浦(受)が堂島(攻)と一夜限りの関係(未遂)を結んでしまい、その直後に大事なものを失ったことに気づいて泣き崩れて終わった表題作『好きで好きで好きで』。


放心した後、その続編『ラブソングみたいに』を読む。怖くて読めなかったけど、読まないと終わらないし。
今度は堂島視点で話は進むのだけど、三浦を自分の中で消化しきれず振り回す堂島。独占欲が強く、自分を吹っ切ろうと姿を消した三浦を追いかけて、さらに言葉で傷つける。ハッキリ言って最低野郎だ。
そして三浦は一冊通して、一人で泣き続ける。そして堂島に謝り続ける。
好きになってごめん、自分ばかりごめん、気持ち悪くてごめん。
痛い、苦しい!!そんなに泣かないで、そして謝らないでほしい!!恋愛弱者って、こういうことだろうか。


そんなボロボロの三浦を見て痛々しいと感じる反面、優越感で満たされていく堂島。ああああ最低!!
でも実際、腹の中まで100%綺麗な人間なんかいないだろうし。ニコニコ笑ってたって腹の中じゃ何考えてるか分かんないんだぞ(言ノ葉ノ花・余村)なんだろうな。
最後は堂島が三浦をおいかけ、説き伏せる。これもまた強引。けなげな三浦はあれで幸せになれたんだろうか。泣いて泣いて泣いて、幸せになる…というの、ほんとだったねえ。


等身大の片思い、この本を読んでいると自分が片思いをした時のことをものすごく思い出す。この本は入手困難なため、たぶん普通に古本屋や書店で並んでいる本じゃないから、読むのは難しいと思う。
それでもぜひ手に取っていただきたい。そして私と一緒に泣くといいよ!!!!


■□■□■チョコレートのように (幻冬舎ルチル文庫)

Atisの5月の新作CDが「チョコレートのように(ひちわゆか著)」だということを知り、ちらっと興味がわく。
原作がおもしろくてオヤジ梶本とツンデレ静が好きだった。あまり声優はくわしくないけど、梶本の声どんなかなってちらっと見に行ったら。


キャスト静京一 : 武内健 / 梶本 : 安元洋貴 / 永瀬浩二 : 鈴木達央

いやあああ、牧田さんだ!!どうしよう、先日『透過性恋愛装置』の牧田の声の方のファンになったわけなのですが、これはどうしろと!!
牧田さんが『死ぬくらいなら、そのカラダ俺によこせ――』とかいうのかっ!!


予約特典はその方のサイン会(抽選)だそうな。それは逆立ちしても行けそうもないけど、そのCDはもしかしたら(しなくても)買いそうな予感。
声優さんに惚れたの、初めてだw