★★★★★  新米ボディーガード物語エスコート (リンクスロマンス)作者: 水壬楓子,佐々木久美子出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス発売日: 2003/12/01メディア: 新書購入: 1人 クリック: 27回この商品を含むブログ (10件) を見る 志岐(得体の知れない依頼人)×ユカリ(アメリカ帰りの新米ボディーガード)


 「こんな男のガードにつくのか?」―時間に遅れて現れた依頼人に、ユカリは息を飲んだ。人材派遣会社『エスコート』のボディガードセクションに所属するユカリは、クリスマス・イブに莫大な遺産を継ぐ志岐由柾という男の護衛に任命された。初めての大きな仕事に気合十分なユカリだったが、ユカリを子供扱いする、ぞんざいで非協力的な態度の志岐に不安と反感を抱く。遺産相続日までの二週間、二人は生活をともにするのだが―。(あらすじより)


私の中でBLというものは、まず小説から入り、気に入ったらCDとかも聞いてみようかなとぼんやり思うというスタイルだった。
しかし、縁があってこれはCDから先に入っちゃったため、なんじゃこりゃという感想を持ってそのままになっていた作品です。
なんつうか、突拍子もない展開となぜそうなるか分からないカップル、全体的に強引でおいてきぼり感が強いCDという感想を持っていた。やっぱり原作がねえとCDなんて聞けたもんじゃないぜ、という印象が残っていた。


そして、原作本をシリーズ6冊まとめて手に入れる機会があったのですが。


CDを作った人はちゃんと原作を読んだのかねという感想を持ったくらい、良かったです。


ボディーガードとして駆け出しのユカリは元気で明るく、とても前向きな20歳(イブが来ると21歳)
先輩のトップガード、真城に憧れて、いつかあのようなボディーガードになりたいと日々精進してるのだけど、やらせてもらえるのはガードマンどまり。
そんなユカリが初めてガードを任せてもらえるのが、とても一般人には見えない志岐という男。クリスマスイブに180億という遺産を相続するという志岐はどうやら命を狙われているらしい、だからそれまでの2週間ガードしてくれというものだったのですが、志岐はまったくユカリを信用していない様子。
やってやるぜ!と意気込むユカリを、鼻で笑うような態度で振り回します。
期日が近づくにつれ、だんだんと周辺がきな臭くなり、爆弾が送り付けられたり車が突っ込んだりとにぎやかになってくるのですが、そのたびにユカリは満足な対応ができずに逆に志岐に守られるという失態続き。落ち込むユカリに志岐がちょっかいをかけてきます。


そしてイブが近づき、期日の直前になってユカリが『自分のやってきたことは全部無駄だったんだ』と思い知るシーンでちょっと泣く。うええん。
なんつうか、お約束の展開でした(CDを聞いていたため、そう思ったのだろうか)
ええとね、CDはここまでで終わりだったんですが。自分的にはその後日談『イブ』という話を読んで号泣してしまったわけです。


志岐に認められたいとがむしゃらに頑張るユカリだけど、志岐には軽くあしらわれる。ユカリにとって特別な意味をもつ大晦日にそばにいてほしいと遠まわしにお願いするも、仕事を優先に入れられてしまいわがままを言って怒られ、置いていかれる。仕事を取ってしまった志岐に、真実を伝える真城。

なんというユカリ!というか志岐!!

最後まで読んで、初めてこの『エスコート』という話が完成するんだよな、と思った。CDだけだったら泣けないし意味分かんねえで終わってたし。
これ、面白かった!!シリーズ、あと5冊。