★★★★★ 36はオヤジではないと思うのだけど…

透過性恋愛装置 (CROSS NOVELS)

透過性恋愛装置 (CROSS NOVELS)

牧田(美声のホテルマン36歳)×北嶋(恋する乙男32歳)  北嶋とシンクロ度・120%


若手建築士として注目を浴び、己れのルックスにも自信を持っていた北嶋は、とあるコンペでホテルマンの牧田と出会う。
その落ちついて控えめな物腰を軽んじ、コンペで最優秀賞を逃したことで牧田にいちゃもんをつける北嶋だったが、常に大人の余裕を持つ牧田に諌められ高慢な鼻をへし折られてしまう。
それをきっかけに牧田の人間性に触れ、恋に落ちてしまった北嶋は、思い付く限りの策を弄するのだったが……。(あらすじより)


テルマンってかっこいいですよね(またかよオイ)それが背の高くてがっしりとして物腰が柔らかく美声で、そつのない30代後半の紳士面だったらもうイチコロ(死語)ですよ。そんな牧田に、今まで恋をしたこともない高慢ちきな若手実力建築士・北嶋が直球で挑む話。


北嶋は見た目も王子様で仕事もできて名前も売れてて、女性に困ったことがないけど今まで本気に好きになったこともないという淡白な人。そんな男マグロの北嶋がはじめて本気の恋を体験します。
恋をしたことがなく、自分から追いかけたこともない北嶋、追いかけ方が乙女です。それまでの北嶋がとにかくいやなやつで、こんな受知らんわと感情移入もできなかったのに、牧田を好きだと自覚した直後から、とたんに可愛く大変身ですよ。
女子高生並みの思考であれこれと牧田の後を追うために奮闘するのだけど、まさに恋する乙女。わざわざ彼に会えるかもしれないと彼のホテル(超高級)で連日打ち合わせしてみたりわざわざ朝早くから牧田の乗る電車からこっそり見つめてみたり。
とにかく北嶋がかわいいです。ゲイバーで牧田を語る北嶋とか、電話が来たときに受話器を宝物のように抱えたりする北嶋がかわいい!!
恋する32歳北嶋、駅のホームで成り行きで告白するはめになります。しかし、牧田に余計な一言をうっかりこぼしてしまい、そのまま終了。基本はやっぱりわがまま王子のままなので、うまくいきません。


一晩だけでいい、と泣きつく北嶋を前にして牧田はやんわりと、しかしきっぱりと拒絶します。そのときの北嶋、かわいそうでせつなくて号泣でした。このあたりの描写、神ですよ。何でこんなに染みるんだろう。
『牧田さんも幸せになれるといいね』
このセリフだけで泣ける、泣けてしまう!!横顔を盗み見ながらひっそりと涙をこぼす北嶋、すげえけなげ!!


結局、牧田は北嶋に落ちるわけですが。そのあとの牧田の豹変ぶりは必見ですW
北嶋の『聞いてねえよ!』という叫びが聞こえてきそうですが、まあ幸せならいいんじゃないかとW
オヤジ攻って久々なんだけど、これはいい!すすめる!


■□■
私には、少ないながらも心を許した友人達がいる。滅多に会えないけど彼女たちにはほとんど隠し事することもなく、取り繕ったりすることもない。
そして、ありがたいことにこの変態ブログも見てくれているらしいw
この年になってコッチの世界に目覚めちゃた私を白い目で見ることもなく、むしろ一緒に楽しんでくれている(といいなあ)
私はしあわせもんだなあ、と今日は思ってしまった。
オヤジ受を推奨する彼女に、今度会うときはこの本とCDを無理やり貸し付けて、オヤジ攻に開眼していただきたいなあと思ったりするw
名前は本人の名誉のために伏せとく。


最後に一言。
オヤジは受もいいけど、オヤジ攻も強力だぜ!!!