■夜は眠るためだけにあるわけじゃないそうです!姫巫子は王の腕に抱かれる (アクアノベルズ)作者: 月夜野亮,南野ましろ出版社/メーカー: オークラ出版発売日: 2007/11/29メディア: 新書 クリック: 11回この商品を含むブログ (4件) を見る闇破(皆に慕われる王、梨瑛大好き)×梨瑛(草原の言霊送りの巫女、闇破大好き)


骨格様、たまや様からもおすすめいただいていた本でございますよ。
王様×神官とかってどうしても神官を溺愛するあまり暴走する暑苦しい王が頭をちらついてちょっと躊躇していたのですけども、これはいかがでしょう!!たのむから『王様のお腰の剣で云々〜』とか言わないでください!


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草原で暮らす梨瑛は言霊送りの能力を持つ巫女(男)しかし梨瑛の言霊送り(祈りの文字を書き、風に乗せて空に飛ばして神様に届ける力)は成功したことがなく、自分では巫女としての能力がないと思っているのでありますよ。
そんなある夜、疲れ果てた旅の男が梨瑛の前に現れた。素朴な草原のテントで精一杯もてなして一緒に眠るものの、朝になったら男は消えてしまった。
旅の男に心を残しながらも草原で暮らす梨瑛に、砂漠の王様からの使者が現れた!なんでも『言霊送りの巫女』をお城の王様が会いたいとご所望だってんで同行を求められるんだけど、生まれた草原から出たことのない梨瑛の家族は渋い顔をする。
しかーし、旅の男が忘れられない梨瑛は「そこに行けば彼がいるかもしれない」と王様の家来と共に青いタイルのお城に行くことにするんですよ。


旅の男(闇破)=王様ですけども、そのときの梨瑛は知らないんですよ。でも王様のほうは梨瑛を『言霊送りの巫女』として招いちゃってるんです。王様は人の願いをかなえるために自分の願いを持たず、ただひたすら人のために尽くすのみ。そんな疲れちゃってる王様の唯一の望みが梨瑛なんですけども、梨瑛にはいまいち伝わってないようであります。うぶな梨瑛が王様の欲望に気付かない感じなのがほほえましかったでございますw王様かっこいい!!


読んでるほうは、『王様は梨瑛にベタ惚れで巫女の能力目当てで呼んでいるわけじゃない』ってわかるのですが、梨瑛としては『王様は姫巫女をお城に招いたわけなんだから言霊を送れない自分は役立たず!』と思いつめ、寝込んじゃうわけなんですよ。王様の力になりたいのに言霊を送ることのできない梨瑛が精一杯言霊を送ろうとする姿がかわいそうで健気です!


闇破は領民に慕われ、家来にも惚れこまれているすばらしい王様です。普通こういうことになるとたいてい『跡継ぎ問題がどうたら』とか『男という理由のいじめがなんたら』とかありそうなものですが一切ございません。王様の家来は男なのに奥方様扱いしてくれてみんな梨瑛に親切!そして結ばれた後は全員で祝福ですよ!!


今まで一度も言霊送りが成功したことのない梨瑛さんでございましたが、王様の唯一の望みがちゃんと空まで届いてくれてよかったです。
うむ、世界観がええね。あと、初先生様でしたが、文章が流れるようで気持ちいいと思った。久々にじわっと泣いちゃったい。おすすめいただいてありがとう幸せになりました!!

 
PS 
結ばれた後日談、川に流された上に闇破と離れ離れになった梨瑛が再び会えるというお話もよかった。お互いがどれだけ愛し合ってるかがよーく分かるエピソードでございます。ただ、個人的にBLにおける駄目なプレイってのがあって、それを王様が梨瑛にやってたのがちょっとギャーでした。王さまそれたぶん痛いからやめてあげてTT