★★★★☆  ふたりベッド (キャラ文庫)作者: 桜木知沙子,梅沢はな出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2007/12/13メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (3件) を見る

 冬村(姉の元恋人・復縁するかも)×奏人(姉思いの恐怖体質)   冬村の忍耐度・高


姉の転勤により、半年の期限つきで姉の元彼・冬村と同居することになった奏人(かなと)。密かに冬村に憧れていた奏人にとっては、思ってもないチャンス。しかも、極度の怖がりで暗闇が怖い奏人のため、冬村は毎晩添い寝してくれるけれど…!? (あらすじより)


これはじんわり泣けた。タイトルもかわいいし、軽いお話だろうなと油断してたらドスンと来ました。
同居してもらえる期間は半年、怖がりな自分のために迷惑ばかりかけていると思い込んでいる奏人は、これ以上迷惑をかけたくないからと告白するつもりはない。ただ大好きな冬村のそばにいられるだけでいい。幼いころから世話をかけ続けてしまった姉には幸せになってほしいと心から思いつつ、いざ復縁してプロポーズしたと聞かされた時に奏人のとった行動に泣けた。
姉の恋人を弟が好きになってしまう話は私の中で泣きツボです。だって、どうしようもないじゃない。姉も彼も本人も、どんないい人だって関係者はみんな傷つくんだよなあ。
このお話はとにかく主人公の奏人がみんなに愛されています。いい子なので愛されて当然だろうと思いつつ、みんなが奏人を守るために水面下でも表立っても行動していた。ええのう。


そういやあこの本、ちゃんとしたBLで最後はちゃんと攻と受の絡みもある。でもさ、普通のBLとなんか違うな、と思っていたんですけどね。
よく見たらお約束の絡みのイラストがなかったんですよ。今まで大量のBL本を読んできたけど、珍しいんじゃないかなと思った。中表紙のカラーもパジャマだったし、肌露出はお風呂だけ(からみ無)だからよけい切なさ倍増だったんじゃないかな、とか思ったりした。
私はからみシーンはイラストにしなくてもいいんじゃないか、むしろ朝チュンでいんじゃね?派です。


『姉の恋人を好きになる話』の最強泣き本は『おねがいクッキー・鹿住槇著』だと思っています。これは泣けるぞ。