遠く離れた町で思うこと

ついにいろいろと踏ん切りをつけ、新しい生活をすることになった。
今までいた町はいわゆるセレブタウン。きれいに区画された街並みに着飾った若い女性。年寄りの姿はほとんどなく、ベビーカーの目立つ町。
私はその町に6年住んだのだが、結局なじみ切ることができず、何の感慨もなく引っ越すことになった。
おかしいな、感動屋の私だったらすこしウルウルきてもおかしくないシチュエーションなのに、なぜに涙の一滴も出ないのだろう。
こんないい場所ほかにはないよ、と他の人が言う。でも私にはそう思えなかった。きっと私には空気が合わなかったんだろう。
今度引っ越してきた街は県をまたぐことはなかったけど、大きな市の端っこにぎりぎり引っかかっているくらいのところ。今までのような便利さや華やかさはない代わり、落ち着いた生活のにおいがする。少し山道を登ったりするせいで生活は不便だろうけど、今までが便利すぎたんだろうと思う。


今日は引っ越して1週間目。今まで所属していた幼児園に春休みの集会があり、こちらから片道1時間半かけて電車を乗り継いで行ってきた。
今まで一緒に行動していた方たちと久しぶりに会う。会う方々から口々に『表情が明るくなった、目が死んでない、イキイキしてる』っていわれた。
スローライフが肌に合ってるんだよ、と答えた。どうやら彼女たちから見ると私は『都落ち』したと思われていたようだ。
ふんだ。
人によって価値観はそれぞれ、私は思い切って移住して正解だったと思っている。


ご近所付き合いなんてものもあり、知らない近所のお爺さんが私のことを気にかけてくれるらしくていろいろと教えてくれる。近隣の方とあいさつするなんて本当に久しぶりだ。何となくうれしくて、必要以上にニコニコしてしまっている。


難を言えば、セブンイレブンがちょっと遠いくらいか。セブンイレブンで本(おもにBL)を受け取る自分としては、取りに行くのがちょっと大変なんですが!!でも入手した砂原先生の最新作、ちょっとヤバい!!!絶対に泣く!!!
引っ越しの合間に癒しのために買った高遠先生の本も大当たりで、長い長い移動時間はそれを持ち歩いて読んでいた。BLではない、と思うのだけど思いがけずに自分的には泣けた。この2冊、ちゃんとレビューするよ!!!


お引越しの心配してくれた皆様、ちゃんと元気だよ。