あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!


 『おれは電車に乗って座席に座ったと思ったら目の前の席に細身のリーマンがいた
  そいつがいつの間にか二人になりいちゃつき始めたんだ!!』


 な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
 おれもなぜこうなったのかわからなかった

 頭がどうにかなりそうだった…

 リアルゲイだとかBLだとか
 そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…


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解説しますと

彼と電車で巨大な港町の不動産屋に出かけた時のこと、閑散とした電車内に若いリーマン風兄さん(スーツ、細身)が座って文庫本を開いていた。
暇だったのでぼーっと見るとはなしに視線を向けていたら、何駅か後で連れの男(スーツ、でかい)が乗ってきた。
その男、座っている細身の前に立って前かがみになりながら彼の前髪をいじり始めた。


!!!!


明らかに普通じゃない距離。ただならぬ雰囲気に固まる私、隣の彼はハワイのパンフに夢中で顔をあげてくれない。
だんだんと込み合ってきた車内、細身の彼はでかいほうに促されて立ち上がり、ドア付近に二人で並んで立っていた。
でかい彼は声もでかい、聞き耳を立てなくても聞こえてくる!!

「なんだよこの前髪。色気づいて」
「もうちょっとこうやったほうがいいんじゃねえの」
みたいなニュアンスでずっと前髪をいじりまくります。でかいほう、細身の前髪が相当気になって仕方ない様子。


私はあんたの言動のほうが気になる!


「よせよ」「さわんなって」「やめろったら」といいつつ迷惑そうにする細身だけどやらせたまま。でかいほうは笑いながら前髪をいじり続ける。
はたからみたらいちゃいちゃしてるとしか見えない。まずい、私の腐ったBL眼にはそうとしかみえない!!


もうすぐ私たちの降りる駅、彼らの脇をすり抜けるときにでかいほうが細身に


「今日俺んち泊まってくだろ」


とおっしゃった。うなずく細身。

妄想大爆発。すげえ、がんばれ細身!!(下世話)


今日はいいもの見ちゃったなあ、とか思っていたらいい物件がみつかった。もうすぐお引っ越し。