『こどもの瞳〜イノセント・ラブ』 ★★★☆☆  衝撃度・99%』こどもの瞳 (幻冬舎ルチル文庫)
 兄(精神年齢6歳)×弟(男やもめの一児の父)


小学生の子供とふたりでつつましく暮らしていた柏原岬が、数年ぶりに再会した兄・仁は事故で記憶を失い6歳の子供にかえってしまっていた。超エリートで冷たかった兄とのギャップに戸惑いながらも、素直で優しい子供の仁を受け入れ始める岬。しかし仁は、無邪気に岬を好きだと慕ってきて…。 (あらすじより)


図書館から借りた本その4。木原さんの昔の作品は図書館でしか会えないぜと思って借りたものです。すでに羞恥心などどこかに飛んで行ってしまいました。あらすじなんか知らないぜ、結構昔の本で、事故で子供に戻ってしまった男性と恋愛するらしい、としか前情報はない。
よし、どんとこいだ。


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ええと、読んだのですが。
正直、私には重すぎました。い、痛い。萌え云々の話ではなかったですが…。
なんというかね、木原先生のお話はリアリティがあるというか、説得力があるんですよ。
あの先生が「これは純愛なんだ」といえばきっと私は「そ、そうかも…」って言ってしまいそうです。


だから実の兄弟だろうが兄が精神年齢6歳になってしまおうがその兄が弟に対して欲情しようが記憶が戻っても欲情してようがちゃんと話になるんですよ。
記憶の戻った兄が『子供の自分ではなく今の自分を見ろ』というのですが、それはそれでまずいんじゃないですかお兄さん、とつっこみを入れたくなりました。自分を「おにいちゃん」と岬に呼ばせることでゆがんだ愛情を見せつけられた感じです。
続きがきになるような気にならないような、そんな終わり方でした。
こんなにストレートな禁忌物、初めて見たよ!!


木原作品は痛いといわれているのだけど、私はそれまであまり『痛さ』を感じたことはなかったのね。
名作『箱の中・檻の外』でも、あんまりの顛末(堂野〜TT)に呆然と泣いてしまったことはるけど、痛いとは思わなかったのに。
この本は私には上級すぎてちょっとついていけなかったと…。初めて『痛いなぁ…』とおもってしまった。
まずいな、もう一冊木原さんを読んで上書きしておかないと軽くトラウマになりそうです。