『蒼い海に秘めた恋』 ★★★★☆  受の不幸度・中の上』蒼い海に秘めた恋 (ガッシュ文庫)
 カリスマ採掘者(勘違い攻)×実験体の青年(不幸受)


“憎まれてもいい… あなたが好き”
特効薬開発の生体実験を受けていていたショアは、養父である開発室長のエルリンクに裏切られ研究所を逃げ出す。そして幼い頃から憧れていたグレイに会いたい一心で彼の元にやってきた。男らしく精悍なグレイは、想像以上の優しさでショアを迎えてくれる。しかしある日、ショアは出身を偽ったことでグレイを騙したと誤解され、彼に冷たく突き放されてしまう…。だけど、どんなに嫌われても好きな気持ちは変わらない―。けなげなショアに訪れた最初で最後の恋の行方は…。 (あらすじより)


とっても泣けると評判の一冊です。気合いの入り方が違いますがちょっと苦手なイラストなため入り込むのに勇気がいりましたが読み進めていくうちにやっぱり胃のあたりがキリキリし始めました。

人が『水のように腐ってしまう病(水腐病)』に脅かされ、温暖化の影響により住む土地を奪われて海底に移住している世界、水腐病にて全滅した島の生き残りのショア(受)の体から完全なる抗体が発見されます。
その抗体のために研究室で5歳より実験被験者として外の世界を知らずに生きてきた受。義父であり最も信頼していた愛する『エリィ』に用無しだと言われているのを聞いてしまう。
このままでは自分は処分される、と研究所を逃げ出して、映像のみ知っている憧れのグレイ(攻)に頑張って会いに行きます。

さあ、これから始まるぜ〜という気分、やっぱりイラストが邪魔するんだな。
ショア21歳なのに、イラストだと15歳くらいに見えてしまうなあ。うーん。イメージって大事なんだぜ。
気を取り直す。

水腐病はとても恐ろしく、女性がかかるとほぼ死ぬという怖い病気、なんと攻の母と妹もこの病気に感染して死亡していました。研究所の特効薬が完成する前に、権力者たちが最初に入手していたといううわさが流れているため、グレイは研究者たちをものすごく憎んでいます。
転がり込んだショアをグレイは最初優しく世話してやるんだけど、研究所から来たということがばれてしまいとっても邪険にされてしまう。正直に話したいのに口止め用のチップを体内に埋め込まれているために弁解ができない受、誤解を招いたままどんどんすれ違って行きます。


うおお、誤解によるすれ違い来た!!やっぱこうでないとねえ。このまましばらくどんどんすれ違って行くのだ。そこから攻が改心して受を助けて終わっていくというのは鉄板です。


水腐病のためこの世界には女性が1/10しかいないのです。ゲイ容認の雰囲気の中で二人の愛はどうなる!?みたいな。
ラストはやっぱり受の愛に気づき窮地を救うために立ち上がるのですが…。
ああ、もうね。やっぱり泣けます、この人の文章何読んでも泣ける。よかったです。