そんな気分のときもあります

彼はバリバリのビジネスマンだ。
大丈夫か、と言うくらいの仕事量を一人でこなす、私から見てもワーカホリック気味だと思う。
3月が終わるまではこの状態が続くらしく、日曜日なのに今日も羽田から飛び立っていった。

見送りに行くのはあまり得意ではない。
私は飛行機が嫌いだからだ。
あんなものが落ちたら、どうなるだろう。
「落ちたらこの会社がいくらくれる」なんていいながら彼が笑ったことがある。
そこまで飛行機に乗りたいのか、とちょっと不思議だ。
新幹線でいけない距離ではないのに。


帰りに異国人っぽい人に話しかけられた。
私はよく話しかけられる。
英語がわからないと本当につらい。前は「yes」をくりかえしていたら手首をつかまれた。隙だらけなのだろうか。
片言の男性は明らかに英語圏の人ではない感じだったので身振り手振りで駅への入り口を教えた。
お礼を言われ、最後に「ゲンキダスコトネ」といわれたので、ちょっとびっくりした。
私の顔はそんなに翳っていたんだろうか。
見送りなんてしょっちゅうなのに、珍しいな、と思った。