『…お前が離れないように、幸せで縛り付けたかったんだ(和生の世迷言)』ふしだらな夜の純情 (幻冬舎ルチル文庫)作者: 雪代鞠絵,せら出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス発売日: 2010/01/19メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (1件) を見る和生(律と同じ養護施設出身、超イケメンらしいけど無愛想)×律(超カワイイらしいけど体弱し)

 
子供の頃から一緒にいる和生とふたりで、つつましい生活を送っている律。体の弱い律は、いつも自分のために無理をする和生のためにもお金を稼ごうと、外で働く決意をする。しかし、隣人の晃に紹介されたバイト先はいかがわしい店で、律は客の前で肌を晒すことに―――!?しかし、そのバイトが和生にばれてしまい、口論の末、手酷いHを強要されてしまうが―――(あらすじより)


そしてこちらがついでの一冊となります。とりあえず、メインディッシュは後でって事で、こちらを先に読むことにしました。
雪代先生作品の受は『健気、不幸、一途』と泣ける要素てんこ盛りでありますよ。新年早々涙を求めている私としては、これはいけるんじゃねえかと購入してみたんですが!

…うーむ、これは…。普通、一冊本を読んだら誰かしら気に入ったキャラが出てくるはずなのに、珍しく誰もいない。受にも攻にも、感情移入するどころか腹さえ立ってくる。何だこの変なイラつく感じ!!


まず律(受)
確かに『迷惑かけたくない負担になりたくない養われたくない』っつうのは判るんだが、なんかこう考えが足りんのじゃないかなーとか思ったりする。それも和生が今までずっと包んで外気に触れさせないようにしてたせいなんかなとか考えたりもしたのだけど、イライラしてしまった。感情移入は不可です。
そして和生(攻)
やってることがおかしい。『ずっと自分の手で幸せにしてくんだ大事にしてくんだー』とかえらそうなこと考えてるくせにやってることは超強姦ですがね!!自分の思い通りに律が動かないからってそれはひどいんじゃないかと思うんだ。
さらに晃(当馬)
コイツにいたっては最初から最後までかわいそうにとか思う余地すらない。一応隠れた被害者だって主張したいのなら、もうちょっと晃の心情を出してやるべきだと思う。そんな悪い奴じゃないはずなのにアレでは…。


むう、メイン3人すべてにイラッとしてたらお話なんか頭に入って来るはずもないがね!
あとがきまで読み進め、そこに『私のデビュー作の文庫化なんですーテヘッ★』みたいな事を先生がおっしゃられているのをみてなんか納得。ああ、そうなのかー…だからなのかー…みたいなね。
そしてラストのSS。先生なりに「この子達は幸せになりました、これからはトライアングルの予感★」みたいな感じを出したかったのだろうけど、あれだけの事をした晃に独占欲丸出しの和生がすんなり迎え入れるのはおかしくないかね。律は何も考えてないということでいいかもなんだろうけど…超違和感でありました…。
うん、泣けませんでした…残念!!