★★★★☆  今日果たさなければ狂ってしまう―――!!(せっぱつまりすぎ)この夜の果て (シャレード文庫)作者: 毬谷まり,石田育絵出版社/メーカー: 二見書房発売日: 2006/03/28メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (3件) を見る長瀬(寡黙な万能秘書)×和彰(己の存在を忌む社長)


華族の家柄の和彰は、結婚して事務機器販売会社「オムラ」へ婿養子に入り、社長として仕事に励んでいた。しかし、会社でも家庭でも自分に求められているのは華族というブランドだけだと思い知らされる!そして、己の存在意義がわからなくなってしまった和彰は、我を失いなんと自らの手で自分の局部を切断…。そんな心身ともに傷ついた和彰に救いの手を差し伸べたのは、秘書の長瀬だった。退院後、長瀬の誘いで彼の家で同居することになった和彰。だが、傷が治っても、局部を切断したため、自慰も満足にできず性欲を持てあまし、苦しみ悶える。そしてそのことを長瀬に知られてしまい、不本意ながらも彼と肉体関係を結ぶことに―。秘書×社長のセンシティブラブ。 (あらすじより)


先日友人と電話で話していた時『センシティブってなんぞや』と聞かれて答えられなかった。ニュアンスで察して、的な言葉なので『繊細とかそういう意味じゃないの?』とか言っておいたが、よくBLの紹介分には『センシティブな関係』だの『センシティブストーリー』だの書いてあるし、そういう感じなんだと思う。ちがう?
そしてこの本にも『センシティブラブ』とあります。あらすじだけでもかなりショッキングですが、内容はどうなんだろう、ドキドキ。

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しょっぱなから衝撃的、胸キュンならぬ、下腹部がギュンときます(いろんな意味で)
名曲『金田の大冒険』の6番です。金田はスカッとナイフで行きましたが、和彰さんは剃刀でボトッと行きました。切る、じゃなくて男らしくすっぱり切り落とす!!アイヤ----!!


私は女なのでその気管が当然ついていないのですが、人体の一部、しかもとても敏感な場所をカットしちゃうってのは想像付きません。気絶位ですんじゃうのか、と思うのだけど…そこまで追い詰められてしまう和彰さん、本当に気の毒です。
心身ともに傷ついた和彰さんを、有能で人望もある秘書、永瀬がかくまうように世話をなさいます。献身的にあんなことやこんなことまでしちゃうのですが、和彰さんのせっぱつまり具合を見ていれば致し方ねえかなとも思えました。それほどまでにせっぱつまっておられました。
和彰さんは自分の持っていないものをすべて持っている永瀬のことを苦手に思っています。永瀬に心を開きたい、だが自分の中に流れる汚れた血脈を嫌悪するあまり心を開くことが出来ない…その結果すべてから逃げ出さざるを得なくなってしまうのですが。なんつうか、あらすじだけ読むとすさまじい感じでしたが、読み進めていくとそうでもない、純愛モノでした。
献身的で従順で純情で男前な長瀬が素晴らしく色男でした!!うん、こいつはいい秘書!!
イラストレーターの先生がこの人じゃなければもうちょっと萌え度が高いと思います。うーん、激しくおしい。この先生はちょい苦手tt


関係ないんですが『アレがないため出そうにも出せない、苦しい!死ぬ!神様ヘルプ!!』っていうその時の描写なんですが…。ちょっと勢いよすぎて、こっちが押され気味になります。この先生は実は男で「おれも実は切り落としたことあるんだけどさ」的な実体験から来るかのような鬼気迫る感じでした。私もびっくりマークは大好きでよく意図的に使うのですが、この作者様も好きなのだろうか。