★★★★☆  三木の幸せはどっちだ!?さらってよ (ディアプラス文庫)作者: 渡海奈穂,麻々原絵里依出版社/メーカー: 新書館発売日: 2008/04/10メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 35回この商品を含むブログ (12件) を見る

 有本(うだつの上がらないバツイチ)×三木(傷つきすぎた若きリーマン) 三木を泣かすんじゃねえ!度 ・ 高


初めて好きになった先輩・平尾を相手に、ずるずると都合のいい恋人を演じていた三木。平気なふりをしながらも平尾の身勝手さにひっそりと傷ついている三木の心の慰めになっているのが、仕事先で知り合った年上で穏やかな有元だ。初めに自棄で有元に関係を迫って失敗して以来、有元は困った顔をしつつも三木を拒まない。そんな付き合いが心地よかったのに、突然有元に抱きしめられ…?ずるくて切ない大人の恋。 (あらすじより)


初作家様いらっしゃいました。この方の文章はかなり好み、砂原先生のような印象です。心理描写も残酷なまでに克明で、三木がどんどん追い詰められていく様子が描かれています。正直「そろそろ三木に幸せの手を差し伸べられるんだろう」と何度も予想し、何度も裏切られたお話でした。私は読んでる最中に展開を予想するのが好きで「どうせ(BLなんだし)こうなるんだろうよ」と思ったりするんですが。
それがいい意味での裏切りで、「えーーッそこで攻様そんなこと言う?!」とつっこんだり「えーーッてめえそこまで三木を追い詰めて大丈夫なのかよ!」という思いが何度もありました。
だからこそ、想いが通じ合うのは表題作の最後の最後でしたが、じわりと幸せになれたんだと思います。そこに行きつくまでに何度おいらも泣かされたか。
三木は幸せにならにゃいかんのですよ!!

そして続編、ですが。歳の差18歳なのでいろんな問題があったりするんですよ。
有本視点からお話は進行するのですが、なんかこう、しょっぱなからペレに相談したらいいような話題なんですよ。
すげえな、BLだぜこれ。そういう行為をしてナンボのジャンルなのに、その気にならないというのは斬新だなあ、とか思ったりする。
まあ、結局いろいろとあってペレのお世話にはならないのですが、いろいろとリアリティがあり、笑えませんでした。
でも、三木良かったよね。大事にしてもらうといいよ!!とか思ったりした。


この作家様、要チェックです。ほかにも泣けそうなのがあるので、ちょっと意識して漁ってみようと思った。
…そのまえに、積読をへらさねば。