★★★★☆  俺はだれも好きになることはできません!!好きになってはいけません (ディアプラス文庫)作者: 桜木知沙子,夏目イサク出版社/メーカー: 新書館発売日: 2008/01/10メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (3件) を見る

 桂沢(強引だけど真摯な新任教師)×雅貴(極端な恋愛不幸体質)   カミングアウト度 ・ 町内全域


恋愛運が異常に悪く、誰かと付き合うたびに手酷い目に遭ってばかりの雅貴。札幌のイタリア料理店に勤めていたものの、やはり修羅場を見た挙げ句、仕事をやめる羽目になった。だから決めた。もう恋はしない。なのに実家に戻って定食屋を手伝っていると、姪の担任の桂沢から猛アプローチ!もちろん付き合うつもりはない。とはいえ桂沢があまりに好みのタイプすぎて、雅貴は困ってしまい…?オール書き下ろし。 (あらすじより)


執着のもつれからドロドロしちゃう話やら脱獄で銃を乱射しまくってハラハラする話など、最近は『平和なBL』というものに縁がなかった。いや、自分で選ばなかっただけなのかもしれないけど、普通のBLを読んでみたくなったのだよ。
そんなとき、私の心の支えはディアプラス文庫(もしくはルチル)だと思っている。このレーベルは優しいんだよなあ。ホッとする話が多くて、自分的お気に入りレーベルであります。ディアプラスは明るく、ルチルは染みるって感じだろうかね。


『誰と付き合っても最後はひどい目にあってボロボロにされる』イタリアンシェフの受が、恋に臆病になり『もう誰も好きになったりしない!』と誓いを立てて実家の片田舎で隠棲しようとする話。
顔もきれいだし優しい受けだけど、少し優柔不断でボケているため、周囲にはかなり早い段階で知られている。だから、周りの町民がみんなやさしいのよ。そして、受けのお母さんがそんな受を厳しく温かく見守っていてよかった。ハートウォーミングって感じですかね。


攻の桂沢は強引でガンガン押してくるくせに、雅貴のことをとても大切にしていてこれもまた好印象!!とてもディアプラスのBLらしくていいお話だった。誰も好きにならないぜ!!ということを桂沢にもハッキリ伝えてかたくなに拒絶しているのに桂沢の強引さに結局何度も流されちゃう受。その時点で攻に昏倒しているのだけど本人だけは気付かない(読み手は気付いている)ところがほほえましいのう。
『うああ、お前桂沢のこと好きなんだろもういい加減好きって言っちゃえよ!』という気持ちになりましたw