★★★★★  感動ですデッドヒート―DEADLOCK2 (キャラ文庫)作者: 英田サキ,高階佑出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2007/02/23メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 21回この商品を含むブログ (12件) を見るDEADSHOT―DEADLOCK3 (キャラ文庫 あ 4-3)作者: 英田サキ,高階佑出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2007/06/23メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 12回この商品を含むブログ (7件) を見る

 ディック(復讐鬼と化すCIA)×ユウト(ディックを救いたいFBI捜査官)  ドラマティック度・全米が泣いた


ディックを復讐の連鎖から解放したい―。宿敵コルブスの逮捕を誓い、捜査を続けるFBI捜査官のユウト。次のテロ現場はどこか、背後に潜むアメリカ政府の巨大な影とは…?ついに決定的証拠を掴んだユウトは、コルブスと対峙する!!ところがそこに現れたディックがコルブスの銃弾に倒れ…!?執念と憎悪と恋情―刑務所から始まった三人のドラマが決着を迎える、衝撃のラストステージ。 (DEADSHOTあらすじより)


終わっちゃいました。1巻で道を分かつ二人、2巻では立場を違えて再開します。残酷で無慈悲なテロリスト・コルブスに復讐するためだけに生きてきたディック、彼を止めたいがためにFBI調査官としてコルブスを追い始めるユウト。コルブスを殺すことが生きる目的というディックに『逮捕する(生かしてとらえる)』という形で邪魔をする形になってしまう。
ディックの目的を果たさせてあげたい気持ちはあるのだけど、はたしてそれが本当にディックの未来につながるのか、というユウトの心の葛藤が痛いくらいです。半分くらいまでディックとは再会できませんが、会ったとしても道をたがえた二人はともに歩むこともできず、冷たい態度を撮り続けるディックに傷つきつづけるユウト。一時の逢瀬がさらにユウトを追い詰めます。


そして3巻、つい先ほど読み終わりました。
権力者達の巨大な陰謀が渦巻く中、黒幕が見え始めます。ようやくコルブスに対峙するも、拉致されてしまうユウト、負傷しながらもユウトを追おうとするディック、それに対峙するコルブス。三者の想いが交錯する中、ついにコルブスと決着がつきます。かつての仲間と恋人の復讐をはたすため、念願の宿敵を前にしてディックは引き金を引くのか?コルブスの虚無な心を想い、彼が望む言葉を与えるユウト。そこでもう、なんだか胸がいっぱいになってしまった。


すべてが終わった後、ユウトの前から姿を消してしまうディック。なにも告げられず、それが今まで自分がディックを邪魔してきたことへの返事だと、ディックを探すことさえ出来ないユウト。しかし監獄時代のよき理解者たちからの後押しをうけて、ついに二人はもう一度出会います。
ネタばれになっちゃうから書けないけど、とにかく二人が切ないです。もう何も遠慮することはないはずなのに、お互いがお互いを思いやる余りに真の心を伝えることが出来ないんです。ポツリポツリと友人としての会話を続ける二人、夜明けの光を見つめながら彼の幸せだけを祈るユウト。次の日、自分の心を隠し通してディックの家から去ろうとします…。


ここからが、もうね。なんというか。
まさか、このまま終わるんじゃないのか?これはBLなのにこれで終わるのか?!いいのかこれで?!と、残りページが少なくなるにつれてこちらが焦り始めました。でもこのまま終わっても美しいよな、とも思ったりして。


常にディックの事だけを想い、自身が傷つきながら彼の幸せを願って戦い続けるユウトが痛々しかった。2巻冒頭より、ユウトのそばで彼を支え続けるロブも素敵です。しかし、どれだけ心が弱ってもロブに逃げ込まずにただひたすら自分と向き合い続けるユウトがものすごく凛としてかっこよかった。
久しぶりに大作を読んだ気がします。シリーズものって途中でだれるような気がするのだけど、これはすごかった。というか、分厚い1冊の本を読んだ気持ちです。一気読みしました。
これはただのBLではないので是非読んでくださいな、これすげえ面白いから。んで、感動してほしいなと思います。二人に幸あれ。