『ANSWER ★★★★☆ 危険度・最初からクライマックス』ANSWER (幻冬舎ルチル文庫)
 エリートビジネスマン(途中からヘタレる25歳攻)×保父さん(途中から若返る32歳受) 


ゆきずりの男・真芝に強姦されたあげく、関係を強要された秦野。しかし、真芝を憎みきれない。不器用に距離をつめていく二人だったが…。人気作、待望の文庫化!(あらすじより)



1ページ目からなんかやってます。
ページを開いた途端に『あ行』がてんこ盛りでびっくりしました。そこから回想シーンに入り、現在の関係を説明されていくのだけど。なんか『これからこんな感じでやってくけどいい?』と見せ付けられた感じがした。


出会いは新宿の路上です。
攻はずっと信じていた恋人の『権力者の娘との突然の結婚』という裏切りに会います。結婚式から帰る途中に自棄を起こして、人のいい受をだまして強姦しちゃうのですね。
その理由が『あんたが恋人と同じ名前だったから』

はい、ここまで読んで正直やめようかと思いましたがココは我慢です。あまりに自分勝手じゃないかという攻めにも、受け入れすぎの受けにも共感が出来なかったのです。特に攻に対して「何様だテメエ」という憤りというか負の感情しかわいてこなかったのね。

あまりに自分勝手で極悪非道。しかし、受けは大きな海のような懐を持って、どこか暴君になりきれない攻を受け止め続けます。その後も攻は脅すように関係を強要、体だけの関係は半年続いてしまいます。ほとんど会話もせず、相手のことは何も分かりません。


‥んが。受けの過去を偶然にも知ってしまった攻めが自分の行いを見返してしまうところから話もがらりと変わっていき、ついでに受と攻の性格とか話し方までびっくりするほど変わります。
受の辛い過去それを知ってしまった後の攻、今までの行いを大後悔し好きになっちゃってたことに気づいてしまいます。もう会ってはいけないと連絡を取れなくなる攻。
それと同時期に受も『攻が好き』なことに気づいてしまいますが、連絡をよこさなくなった攻に飽きられたんだと言う自己完結をして何とか納得しようとします。
そのあたりから突然ヘタレる攻、突然余裕をかます強気な受。とくに受の32歳とは思えない若々しい言葉遣いにはかなりの違和感をおぼえた。


感想としては。
頑張って最後まで読んでみてよかった、過去を後悔するあたりで攻に好感を持ち、切なさでちょっと泣けた。個人的には30過ぎた受って激しくツボなのですが、言動もイラストも学生チックなのでもう少し落ち着いていただければ星5個だったのになあ。
一応続き物らしく、続編もある。それはまだ読んでないのだけど、ちょっと興味ありです。


この作家さんは一回のエロがとっても濃い方でした。このレーベルが『大人向け』だと言うこともあってか頑張っておられる感じです。とにかく長い!かなりのウェイトを占めていらっしゃる。
実は自分のBL小説デビューはこの作家さんだったりする。
あのときの感想は『うわぁ〜!!!』だったのだけど、現在は『ほおぉ』位だ。スキルアップ万歳。