『言ノ葉ノ花  ★★★★★ 感動・無限大クラス』

 家電店店員(年下攻)×派遣社員(心が読めちゃう気の毒な受)言ノ葉ノ花 (ディアプラス文庫)


三年前から突然人の心の声が聞こえ始め、以来人間不信気味の余村。ある日彼は、自分に好意を持っているらしい同僚の長谷部の心の声を聞いてしまう。罪悪感を覚えつつも、言葉で、“声”で、一途に注がれる愛情が心地よく、余村も長谷部を好ましく思うようになる。そしてついに長谷部の告白を受け入れるが、余村が心の声を聞けると知った長谷部の反応は意外なものだった…。切なさ200%!!胸に迫るスイートラブ。 (あらすじより)


評判がいいのと作者のファンなのと挿絵の方の大ファンということがかさなって、どうしても欲しかった。
しかし、ずいぶん評判がよかったらしく、すぐ完売して増刷まちだったのだ。
チキンな私はセブンイレブンの通販で予約していた。昨日入荷メールを頂いたので、早速取りに行ってきた。

クリスマスの日に突然、人の心の『声』が聞こえるようになってしまう主人公。
そのせいでプロポーズしたばかりの女性の本音や、仲が良かった同僚のねたみの声をダイレクトに聞いてしまう。
流れ込んでくるさまざまな『声』に翻弄されて疲弊し、結局会社も結婚もあきらめて世捨て人のように引きこもっていた主人公が、生活のために派遣社員として働き始めた電化店であった一人の人間、その人の声が聞こえた時‥。

という内容でございます。


期待を裏切らないというか、それ以上というか。主人公の心理描写がすごくて、このままだとこの人駄目になるんじゃないかねという心配までしてしまった。こんなに引き込まれて一気に読んでしまった小説って、今までなかったような気がする。いい年した大人がボロボロ泣いてしまった。

長谷部の妹に教えられて彼の好きなCDをプレゼントするも、心を読まれたと勘違いされるくだりなんか、泣かなかったら鬼レベルです。
地下鉄のホームで神に祈る余村の姿にさらに号泣。

いやあ、いいねえ。ジャンルを超えて読んでいただきたいなとか思います。